本エントリーでは2014年7/21更新の同資料から精神科病院の実態に注目してみたいと思います。
以下は、精神保健福祉資料(=精神科病院及び精神科診療所等を利用する患者の実態等を把握し、精神保健福祉施策推進のための資料を得ることを目的とし、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課が毎年6 月30 日付けで実施しているもの)からの統計値となります。
(資料元〝精神保健福祉資料〟 http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/pdf/data_h24/h24_630_sasshitai.pdf)
過去5年間の精神科病院数・精神科病床数・精神科病棟数
病院数、病棟数は横ばい。病床数は8000床の減少傾向。
過去5年間の精神科病院在院患者数の推移
医療保護入院者は10820人の増加、任意入院患者は21765人の減少、在院患者つまり精神科病院の全入院患者数は11115人の減少。平成24年6月30日時点での精神科病院の入院患者総数は302156人。
全在院患者数302156人の年齢階級と在院期間
平成24年6月30日付けの精神科病院の入院患者302156人がどのような年齢層で、どれくらい入院しているのか? それが以下の統計値である。
年齢階級別
ある程度の年齢階級差はみられるものの、10代の患者を除けば〝全年齢階級〟において入院患者が存在していることは自然な数値であろう。
入院患者の主な疾患にはやはり統合失調症が挙げられるが、統合失調症は若年で発症することが多いと言われるものの気質と環境によってはあまり年齢に関係することなく発症する疾患であることがわかる。
統合失調症の家族問題と言えば、若年で発症した子供と長年にわたり介護する親との関係が表立つような印象がなくはない。地域の家族会などを構成する属性の大部分が〝親子〟であることもそのようなイメージを支えている一因かもしれないが、社会に出てから人間関係を含む疾患問題を背負うケースも均等に存在する。
そうはいうものの、近年の認知症患者数の増加を鑑みれば円グラフ左半分を構成する属性は一様でもない。
在院期間別
円グラフを大きく3分割する見方をすれば、1年以内で退院する者、退院までに5年かかる者、入院したままの者、に大別される。
それは個別の重症度なのか? それとも医療格差なのか? 世の中にも家族にも支えられない者たちなのか?
入退院患者の動向
平成23年6月、単月における入院患者総数は33049人。それ以降、一年間の退院者数の動向についてまとめられたのが以下の統計値。
33049人の入院患者は一年間で28843人退院し、残留患者は4206人である。
退院、転院、死亡退院。入院後約3ヶ月の間に大きく動く動向。
その後、動きは緩やかに横ばいになる。
だがしかし、急性期における若干増を除くと、死亡者に関しては他項目と比較して数値差があまりないままに1年を経過すると見えるのは、事実か錯覚か?
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